
入居者がいる戸建ては、市の空き家向けの制度に載せられるのか、というところで手が止まりがちです。相模原市の公式ページを読むと、売る順番の組み立て方が見えてきます。
入居者への影響は、借地借家法第31条(引渡しを受けた建物の賃貸借は新しい所有者にも効力がある)で整理できます。法律の細かい話は横浜・川崎の記事にまとめました。
この記事の流れ
- 入居者付きの買取可否の確かめ方の結論
- 契約書・登記簿・窓口・査定の確認順
- 空き家バンクの登録条件と賃貸中の相性
- 主な3つの窓口の使い分けと買取プロ
公式の案内 入居者のいる状態の不動産も積極的に買い取ると案内されています
結論:相模原では、入居者付きでの買取可否を先に査定で確かめる方法もあります
市の空き家バンクについて、賃貸中の扱いは公式には記載がありません。要件が「現在使用していない空き家」のため、入居者がいる間は当てはまらない可能性があるので、住宅課に確認してください。
一方で、入居者付きのまま買い取ると案内している会社もあります。空室にしてから売る道を選ぶなら、貸主からの更新拒絶に正当の事由が必要で(借地借家法第28条)、売りたい事情だけでは進めにくいことを頭に置いてください。
相模原で売る前の確認順は、契約書・登記簿・窓口・査定
- 賃貸借契約書を出し、普通借家か定期借家か、家賃と敷金の金額を確かめます。
- 登記簿で名義と抵当権の有無を見ます。相模原の不動産は横浜地方法務局 相模原支局の管轄で、管轄は相模原市全域です。
- 市の住宅課に、空き家向けの制度が使えるかを聞きます。空き家の相談窓口も、同じ住宅課のページに載っています。
- 査定を受け、金額と条件を見てから、売るかどうかを決めます。
相模原市空き家バンクの登録条件と、賃貸中の家の相性
市のページ(相模原市空き家バンク)に書かれている主な条件を挙げます。
- 現在空き家になっていて、使用していない住宅であること
- 土地と建物の登記が済み、相続登記も終わって、所有者と登記名義人が同じであること
- 管理不全空家等や特定空家等にあたらず、法令に違反していないこと
- 固定資産税と都市計画税の滞納がないこと
登録料と掲載料は無料で、登録は2年間有効とされています。宅建業者に仲介を頼むときは、仲介手数料が別に必要です。入居者や賃貸中の家の扱いは、公式には記載がありません。
記載がない以上、断定はできませんが、一つ目の条件が「現在空き家」であるため、入居者がいる間は当てはまらない可能性があります。使えるかどうかは、住宅課に問い合わせて確かめてください。
相模原の主な3つの窓口は、聞きたいことで選ぶ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住宅課(住宅政策班・空き家対策班) | 空き家バンクの登録を受け付ける課で、空き家の相談の担当でもあります。入居者がいる家をどう扱うかは、先に聞いておくと安心です。 |
| 不動産無料相談会 | 宅建士が、売却の進め方や賃貸・活用などの相談に乗る無料の会です。日時や予約の方法は本文になく、チラシ(PDF)で案内されています。 |
| NPO法人の空き家ワンストップ相談窓口 | 受付は9時から17時で、通話は無料と案内されています。管理・売却・解体・相続・家財整理などの悩みに合う事業者を紹介する窓口です。 |
いずれも根拠は住宅課の空き家相談のページです。入居者がいる家に絞った記載はないため、賃貸中であることを最初に伝えて相談しましょう。
このほか市では、法律相談・司法書士相談・不動産相談の予約制の専門家相談も案内されています。空き家バンクのページは令和8年9月24日更新、窓口のページは令和8年9月1日更新の内容を、令和8年10月23日に確認しました。
入居者付きの相談先として確認した、訳あり物件買取プロ
相模原の3つの窓口は聞きたいことごとの使い分けで、買取の可否や金額までは窓口の案内に書かれていません。入居者のいる不動産も積極的に買い取ると案内しているのが「訳あり物件買取プロ」です。相模原の売主に関係するところだけ、公式サイトの内容を整理しました。
| 入居者がいる家 | トップページに、入居者のいる不動産も積極的に買い取るとの案内がある |
| 査定 | 買取査定は無料と案内している |
| 相模原の事例 | 載っている事例3件は愛知・千葉・静岡の物件で、相模原のものは見当たらない |
| 条件の注意 | 買取不可の条件は確認できなかった。ただし注釈には、物件の状況や権利関係、エリアによっては費用負担を伴う場合があると書かれている |
相模原の事例がなくても、買えるかどうかは査定で分かります。条件と金額は、査定を受けて確かめる方法があります。
査定の前に手元に用意するもの
- 賃貸借契約書(公式サイトの案内)
- 家賃と敷金の金額(公式サイトの案内)
- 登記簿の内容(自分で名義を確かめる用)
公式の案内 買取査定は無料と案内されています
出典:訳あり物件買取プロ公式サイト(トップページ・FAQ・注釈。相模原の売主向けの記事作成にあたり、令和8年10月23日に確認)
相模原で売る前に、よく出る4つの質問
- 相模原の空き家バンクに、入居者がいる家は載せられますか?
対象は現在使用していない空き家とされ、入居者のいる家は合わない可能性があります。条件には、相続登記の完了や税の滞納がないことも含まれます。
確認先は、市役所の住宅課です。- 売るとき、入居者の同意は必要ですか?
相模原の3つの窓口は聞きたいことごとの使い分けで、入居者の同意の要否は法律の側で整理されています。民法第605条の3では、貸主の地位は賃借人の承諾なしに、売主と買主の合意で移せるとされています。ただし、賃貸人の地位の移転は所有権の移転登記をしないと賃借人に対抗できないとされています(第605条の2第3項。第605条の3が準用)。買主側の登記の時期は売買の条件に関わるため、不動産会社や専門家に確認してください。条文の整理は横浜・川崎の記事の法律の整理にあります。
- 預かっている敷金は、誰が返すことになりますか?
敷金の返還義務は、貸主の地位とあわせて買主に移るとされています(民法第605条の2第4項。第605条の3が準用)。預かっている金額は賃貸借契約書で確認し、売買の手続きの中で買主へ引き継ぎます。
- 売却を理由に、入居者へ退去をお願いできますか?
相模原の窓口は売り方の相談先で、退去の可否を決める場ではありません。貸主から更新を断ったり解約を申し入れたりするには、正当の事由が必要です(借地借家法第28条)。売りたい事情だけでは進めにくい場合があるため、迷うときは弁護士に相談してください。
まとめ
相模原では、空き家バンクが「現在空き家」を前提にしているため、入居者付きの戸建てはまず入居者付きで買う会社の査定で買取可否を先に把握する方法もあります。
契約書、登記簿、住宅課の三つを順に確かめてから、査定の金額と条件で売るかどうかを決めれば間に合います。
相模原の入居者付きの家を売る前に
- 空き家バンクは「現在空き家」が前提
- 契約は原則そのまま買主に引き継がれる
- 売るかどうかは、査定を受けてから決めてよい
公式の案内 入居者のいる状態の不動産も積極的に買い取ると案内されています
